
ひとえに「高速バス」と言っても、4列シートの格安タイプから、個室に近い豪華タイプまで、さまざまな種類の高速バス・夜行バスが走っています。
例えば、楽天トラベル(高速バス予約)で、とある平日(月曜日)で「東京発大阪行」で検索してみると、最安運賃は2,600円、一番高いもので11,000円でした。
特に東京(関東)〜大阪(関西)間は人の往来も激しいので、多くの会社が参入して運行本数も非常に多いです。
高速バスでの移動にはどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
高速バスのメリット
他の交通手段と比べ、運賃が安い
基本的に新幹線や飛行機と比べると安価です。単純に値段だけで比較すれば、新幹線の片道分の値段で高速バスだと2往復できてしまうバスも。
ただし、新幹線や飛行機も早期割引や会員制度により高速バスに近い値段でチケットが手に入ることがありますし、逆に、最近は豪華タイプの高速バスも増え、新幹線や飛行機に近い値段のものもあります。
自宅近くから出発、目的地付近に到着
新幹線や飛行機と違い、高速バスは1つの便で複数のバス停を経由するものがあります。路線を柔軟に設定できるため、自宅近くのバス停から出発できたり、より目的地に近いところで下車できたりします。
時間をムダなく使える(夜行バスの場合)
夜行バスは夜出発して翌朝目的地に到着するので、移動中は寝ていられます。朝一から行動できるので、時間をムダなく使うことができます。また、ホテル代も浮きます。
早朝に到着してもやることがなくて困る…そんな場合もありますが、関東⇔関西の高速バスは本数が多いため、8時すぎに到着するバスもあります。自分の予定にあったバスを探してみてください。
なかには銭湯やスパ施設とバスチケットがセットになったプランや、割引価格で利用できるサービスを実施しているバス会社もあり、バス下車後に身だしなみを整えることもできます。
高速バスのデメリット
座席が狭い&長時間移動
一般的な高速バスの場合、新幹線や飛行機よりも座席が狭く窮屈です。また、長時間の移動なので身体への負担も大きいです。
いろいろなバリーエーションの高速バスが運行しているので、予算と相談しながら幅広シートや高級シートのバスを選ぶのも1つの手です。
車内環境(温度、湿度)
バス車内は乾燥しやすいです。また、冷暖房が効きすぎている、または効いてないなど、空調による影響もあります。
ブランケットを貸し出しているバスもありますが、マスクや(夏場であれば)薄手の長袖なども必需品です。
新型コロナの影響により、ブランケットや毛布の貸し出しサービスは取りやめになっているところが多いです。
車内環境(乗客マナー)
車内にはいろんな乗客がいます。話し声(特に夏休みなどのTDR・USJ路線に多い学生集団)、イヤホンの音漏れ、車内で食事している人の音・匂い、香水の匂い…などなど、自分だけではどうしようもありません。
消灯後も、イビキの音、スマートフォンの液晶の光漏れ、(4列シートの場合)隣の席の人の寝相…など。
バスのランクを上げる(より値段の高い路線なら客層も違う)ことも解決策の1つです。
乗り物酔い
「乗り物酔い」(動揺病)のなかでも飛行機や電車と比べ、車酔い(バス酔い)するという方も多いのではないでしょうか。
こればっかりは個人の体質やその日の体調なども関係しているのでどうしようもありません。
私自身も小中学生のころは車酔いが酷かったのですが、大人になってからはほとんどありません。バス乗車前や乗車直後に「酔っちゃうんじゃないか」と考え過去の車酔いを思い出し、酔ってしまうことがありました。
「病は気から」という言葉もありますが、もしかするとそういった精神的なことも影響していたのかもしれません。
不安な方は酔い止めの薬を飲んでおきましょう。
渋滞で到着時間が読めない
バスは一般道・高速道を走るので、道路渋滞に巻き込まれる場合があります。大型連休や悪天候時は到着時間が読めないこともあるので、時間に余裕をもって行動することが大切です。
特にバス下車後、電車・新幹線・飛行機など次の交通機関を予約している場合、渋滞の遅れにより乗り換えられない可能性も考えておく必要があります。
NEXCOの公式サイトでは渋滞予測や、「東名集中工事」などの規制情報が公開されているので、事前にこちらもチェックしておきましょう。
早朝に到着して、何をする?
メリットの「時間をムダなく使える」と相反するものではありますが、夜行バスは早い便だと5時〜6時頃には目的地に到着します。もちろんそのまま始発電車に乗って行動開始することもできますが、開いているお店はファストフード、ファミレスなどがほとんどです。
例えば京都であれば、京都駅に近い東本願寺・西本願寺は早朝から開門しています。早朝は人も少ないので、寺社を参拝してみるのもおすすめです。
眠れないとツラい
これは私の経験談でもありますが、夜行バスで眠れないとかなりツラいです。
昼間は思いっきり行動したので、夜はバスに揺られて寝られるだろう…と考えていたのですが、頭(脳)が昼間のまま興奮し続けていたのでしょうか。全く寝られませんでした。
真っ暗なバスの車内で、前方に薄く見えるデジタル時計をずっと見つめてました。かなりツラかったです。
眠れたとしても、身体を完全に横にすることはできないので、熟睡するのは難しいです。そのため、翌日に疲れが残り、1日を棒に振ってしまう可能性もあります。
交通事故への不安
高速バスを巡っては過去に大きな事故が何度もありました。新幹線や飛行機で事故が起きないとは限りませんが、バスを運転しているのは人間です。十分に休憩を取っていても眠くなったり、突発的に体調が悪くなることもあるでしょう。
また、バスの場合は他の車からの「もらい事故」の可能性もあります。
規制強化や最新技術による運転サポート、バス会社による安全対策が進められています。各バス会社の公式サイトでは安全運行に関する取り組みが公開されています。
- 安全・安心への取り組み (ジェイアールバス関東)
- 安心安全への取り組み(西日本ジェイアールバス)
夜行バスなら朝から行動できる

夜のうちに移動して朝から行動できるのは新幹線や飛行機にはできない高速バスのメリットです。
前述の通り、4列の格安タイプから個室に近い豪華タイプまで、さまざまな高速バスが運行されていますので、予算や目的に応じてバスを選択してみてください。